ホーム > リレー随想






片岡 道夫  新津商工会議所 常議員

「大大吉」

 今年も伏見稲荷をお参りした。参拝後、おみくじを引いた。毎年一月に京都で開かれる取引先の展示会を訪れるのだが、その折りに稲荷様に立ち寄る。その時のことである。
 筒を振ってから逆さにし、中に入っている細い棒を穴から一本取り出した。三十二番。受付でその番号を告げ、お札を頂いた。「だいだいきち・・・?」解説を読むと「思う事、願う事、かなはずということなし・・・」とある。うれしいやら少々気持ち悪いやら、ともあれ珍しいからと家に持ち帰った。
 それから約一ヶ月が過ぎたが、霊験らしきものは現れない。しかし先日の明け方、稲荷様が寝ぼけ頭にお告げを下さった。関西訛りで、「大大吉いうんは、何もこれから先の事を述べたんちゃう。これまでの人生を振り返ってみてみい。悪運も含め、運だけでここまで来たんとちゃうか。小学時代から問題児、あげくに高校中退するわ。親がいっつも泣いてはった。その後、大検受かって大学入れたんもみな運や。おまけに卒業と就職と結婚がセットで用意されとった。あれもこれもみな大大吉やないか。今は、世間並みの幸せを授けてもろてる。ここまでで充分、大大吉や。」・・・まったくご指摘どおりです、はい稲荷様、と心から納得はした。
 だけど、稲荷様に内緒で来週当たり宝くじを買ってみよう。