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樋口 龍衛 新津商工会議所 常議員


「収穫の喜び」

 私の大好きな仕事は農作業です。
 春から夏にかけては、朝一番に田んぼの見回りに行くことが毎日の日課です。私の田んぼからは南に秋葉山、西に弥彦山が見えるので作業も気持ちよく進み、ちっとも苦になりません。会社では厳しい顔の毎日ですが、ここでは、別人のようにリラックスし、柔らかな表情でいることが自分でもよくわかります。ストレスの解消に欠かせない場となりました。
 5月になると、田植えが始まり、我家では私が田植え機に乗り、息子達が苗運び、そして孫達が泥遊びと家族総出の大イベントとなります。お昼になれば、みんなでおにぎりをほおばり、にぎやかな食事会が始まります。私にとっては毎年心待ちにする年中行事となりました。
 田植えが終わり、十日もすると、あたり一面はすっかり青田に変わり、緑のじゅうたんを敷き詰めたように美しい景色が現れます。その時、今年もこの景色が見れて良かった、と自分の健康に思わず感謝するのです。
 私にとって家族全員の健康こそ、何よりも大事なものです。みんなが安心して食べられる「米」を作ることが私の義務と思い、減農薬、有機栽培での米作りを徹底しています。「量」より「質」こそが望ましい「米作り」の基本であると考えるからです。
 さて、いよいよ待ちに待った収穫の時を迎え、稲刈りが始まります。まるで自分の子供を見るように気を配り、手塩をかけて育てた「新米」を収穫する喜びは言葉では言い表せないほどです。そして、その新米を炊いて、家族全員で食べる時の味は格別のおいしさであり、まさに一年間の苦労がその時にやっと報われた、という満足感でいっぱいになります。
 我家の食卓には、やはり私が育てて、収穫した数々の野菜がおいしく料理され、上がっています。畑作りも決して楽ではありませんが、その季節、季節の野菜を育てることで四季の移り変わりを実感できるという喜びがあります。家族の「おいしい。」の一言で、どんな苦労も報われます。私はこの「自給自足」の食生活を本当に楽しんでやっています。それは、そこに様々な「喜び」が生まれてくるからです。