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長谷川 明夫 新津商工会議所 議員 

「昭和」

 話はやや遡るが、今年から四月二九日の祝日は、「みどりの日」から「昭和の日」に変わった。ついこの間まで昭和だったのに、いつからそんなにレトロなものになったのかと違和感もあったが、なるほど、世間では最近、「昭和ブーム」と言ってもいいようなものがやたらと目に入る。中でも高度成長期に向かう昭和三〇年代をテーマとしたものが多い。東京下町の庶民の生活・人情を描いた映画「ALWAYS三丁目の夕日」がヒット。当時と同じメニュー、食器で給食を再現した食堂もはやっているそうである(給食はあまりおいしくなかったが、揚げパンは大好きだった)。ちゃぶ台なども売れているとか。
 当時、子供の好きなもの「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉があった。選択肢の少ない時代で、私もまさしくそんな子供の一人だった。長嶋は何をやってもかっこよかった。友達と狭い空き地で毎日のように暗くなるまで野球をやっていた。今では野球も相撲も興味は薄れつつあるが、卵焼きだけは、居酒屋でもつい注文したくなる。
 現在は、昭和三〇年代と比べ格段に豊かで便利になったが、今の時代の不安感、窮屈さ、殺伐とした世相などが、逆に今の大人たちにあの時代が持っていた明るさとかシンプルさへの郷愁や憧れを感じさせているのだろう。
 「温故知新」。昔を懐かしむだけではなく、そこから新しい何かを見つけていきたいものである。